施術効果の持続期間、機器ごとに立ち上がり方が違います
TL;DR: 施術効果の持続期間は、注射系と機器系で曲線の形がまったく異なります。ボツリヌストキシンは3ヶ月前後から4〜5ヶ月ほど、コラーゲンを誘導するリフティング機器は数ヶ月かけて変化が積み上がり、微細集束超音波では1年後まで改善が報告される一方、単極高周波は12週前後を頂点に緩やかに落ち着く傾向が示されています。帰国日の肌は最終結果ではなく、まだ途中経過だとお考えください。
カウンセリングで「どのくらい持ちますか」と聞かれたとき、私はまず二つの時期を分けて説明しています。効果が見え始める時期と、その効果が弱まり始める時期です。この二つを一つの数字にまとめて考えると、実際よりも短く感じてしまいます。
見え始める時期と弱まる時期は別の質問です
施術直後の変化がそのまま何ヶ月続くと考えると、判断を誤りやすくなります。注射系のように比較的早く効果が現れる施術と、機器で組織にコラーゲン産生を促す施術とでは、ピークに達するタイミングそのものが違うからです。持続期間を尋ねる前に、まずどの層にどう働きかけた施術かを確認したほうが、実際の見通しに近づきます。
私が代表院長を務める江南UH CELLでは、施術直後の診断所見と設定値を必ず記録しています。次に来院された際、この記録が「今回はどの時期の変化を見ているのか」を判断する材料になります。
コラーゲンを誘導する機器は、効果が遅れて立ち上がります
単極性高周波と微細集束超音波は、真皮とその下層に熱エネルギーを伝えて既存のコラーゲンを収縮させ、その後数ヶ月かけて新しいコラーゲン生成を促す仕組みです。この立ち上がり方が施術ごとに違うため、同じ「リフティング」という言葉でも中身は一様ではありません。
2023年に国際学術誌International Journal of Environmental Research and Public Healthに掲載された微細集束超音波の系統的レビューでは、施術90日後の時点で施術者評価による改善率が92%に達し、患者自身の評価はさらに緩やかに、90日時点の42%から360日時点の53%へと上昇していました。効果が施術直後よりも数ヶ月後のほうが高く評価されている点は、この施術群の特徴だと言えます。
一方、2024年に学術誌Cosmeticsに掲載された単極性高周波の研究では、患者評価による改善度は12週の時点で最も高く、24週時点ではやや落ち着く経過が報告されています。同じ「熱を使うリフティング」でも、ピークの位置がずれているわけです。持続期間を一律に案内せず、どの機器のどの層への作用かを分けて説明する理由はここにあります。
注射系施術は、次回の間隔設計が結果を左右します
米国の学術誌American Journal of Clinical DermatologyのTimothy Corcoran Flynn氏(ノースカロライナ大学チャペルヒル校皮膚科臨床教授)が2010年に発表したレビューでは、ボツリヌストキシンの効果はおおむね3ヶ月以上持続し、部位や用量、製剤によっては4〜5ヶ月まで続くと整理されています。
2016年に学術誌Plastic and Reconstructive Surgeryに発表されたGlobal Aesthetics Consensus Groupの提言では、上顔面への投与量を抑えつつヒアルロン酸フィラーとの併用を組み合わせる、神経調整を重視した治療設計への転換が示されています。単発の効果の強さだけを追うのではなく、診断に基づいて投与量と間隔を継続的に調整していく考え方です。この間隔設計をどこで行うかが、実質的に結果を左右する変数になります。
短期滞在のスケジュールが生む判断のずれ
2〜7日ほどの滞在で来院される方は、むくみや赤みが残った状態のまま帰国の便に乗ることになります。私どもの江南院はUH FLAT SIGNATURE 江南というホテルの建物内にあり、施術後に場所を移動せず客室で休んでいただけます。酸素チャンバーとビタミンIVドリップは、このホテルにご宿泊の方に無料でご案内しています。
それでも、持続期間についての実感は帰国後に固まっていきます。渡航前の限られた滞在中に見えている変化は、途中経過であって最終評価ではありません。だからこそ私は、施術当日の診断所見と機器の設定値を必ず残しておくよう伝えています。次回いつ、どのくらいの強度で施術を組み立て直すかを判断する根拠になるからです。効果を判定するタイミングをどこに置くかについては、施術後の再診タイミング、目的で変わる基準とはでも詳しく整理しています。
帰国後に判断材料を残しておくために
施術後の写真や設定値は、その場では小さな記録に見えても、次回の間隔や強度を決める土台になります。特に短期滞在で複数回の通院が難しい方ほど、一回ごとの記録の意味が大きくなります。次に同じクリニックを再訪しない場合でも、現地の医師に見せられる記録を手元に残しておくことをおすすめします。
FAQ
持続期間を延ばす方法はありますか
生活習慣の影響を無視することはできません。紫外線への曝露や睡眠不足はコラーゲン代謝に不利に働く可能性があるため、回復期には日焼け止めの使用と規則的な睡眠を並行しておすすめしています。ただし、特定のケアによって持続期間がどれだけ延びるかを数値で断定することは難しいです。
同じ機器でも人によって持続期間が違うのはなぜですか
皮膚の厚み、皮下脂肪量、筋膜の支持力、過去の施術歴によって、同じエネルギーでも伝わり方が変わります。そのため機器の名前よりも、診断とエネルギー配分のほうが結果に直結します。
効果が早く消えたように感じたら、いつ連絡すればよいですか
赤みや痛みを伴う場合、特定の部位だけ急激に変化した場合、硬いしこりが数週間経っても小さくならない場合は、単なる持続期間の問題ではない可能性があります。自己判断で様子を見ず、診察を受けることをおすすめします。
短い滞在でも効果の見通しを相談できますか
はい。渡航前にどのくらいの期間で効果のピークが来るか、どの時点で判定すべきかは、施術の種類によって変わります。滞在日程に合わせて、どの段階までを現地で確認し、どの段階を帰国後の記録で追うかを事前にすり合わせることができます。


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