フラクショナルレーザーは皮膚に微細な熱損傷の柱をつくり、真皮のコラーゲン再配列を促します。問題は、アイスピック型ニキビ跡の通り道が真皮を越えて皮下組織まで続いているケースが少なくないことです。Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgeryに2010年に掲載されたBhardwajとKhungerの報告は、表面の浅い萎縮性瘢痕にはレーザー治療が有用な一方、真皮の深くまで及ぶアイスピック型の瘢痕には単独では不十分になりやすいとまとめています。
The Journal of Clinical and Aesthetic Dermatologyが2015年に発表した米国皮膚科専門医らの合意報告も、瘢痕の形によって手段を変えるべきだと整理しています。アイスピック型にはパンチ切除や局所薬剤治療、境界のはっきりしたボックスカー型には剥離性・非剥離性のフラクショナルレーザー、広がりのあるローリング型にはフィラーや癒着剥離を優先的に検討するという考え方です。
ただし、同じ系統の研究が指摘するように、フィッツパトリック分類でⅤ〜Ⅵ型にあたる色素反応の強い肌では、色素変化のリスクに注意が必要です。Journal of Cosmetic Dermatologyに掲載されたKhungerらの追跡研究では、施術前の2週間、ハイドロキノン4%とトレチノイン0.025%で肌を整える「プライミング」を行い、日焼け止めの使用を徹底した群で合併症が抑えられたと報告されています。夏場に日焼けした状態でいらした場合、私は強度を下げるか時期をずらすようお伝えしています。
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