目元のしわは、まず線維芽細胞が動いているかを見る
目元のしわを改善する施術を選ぶとき、私が最初に確認しているのは機器や成分の商品名ではありません。その成分が皮膚の中で休んでいる線維芽細胞を、実際にもう一度動かせるかどうかです。私たちUH CELL CLINIC江南院では、目元のように薄くデリケートな部位のしわ相談を受けたとき、PN(ポリヌクレオチド)系のスキンブースターをまず検討の中心に置いています。PNはサケなど魚の精巣由来のDNA断片で、真皮層に注入されるとアデノシンA2A受容体に結合し、休止状態にあった線維芽細胞にコラーゲンとエラスチンの産生を再開させる方向で働くと考えています。

なぜ線維芽細胞から見るのか
Gachon大学のKyung-A Byunらの研究グループが2025年にInternational Journal of Molecular Sciences誌で発表した研究では、PNが老化したマクロファージのサイトカイン分泌を調整して抗炎症反応を導き、その結果として線維芽細胞のコラーゲン合成が高まることが実験的に確認されています。同じ系統の成分について、A. Khanらが2022年にChinese Journal of Plastic and Reconstructive Surgery誌にまとめたレビューでも、コラーゲンとエラスチンの合成を促し、炎症を引き起こすサイトカインの働きを抑える方向性が整理されています。目元のしわは皮膚が薄い部位に瞬きなどの反復した動きが重なって生じるため、ボリュームを足すよりも先に、線維芽細胞そのものの活動性を取り戻すアプローチのほうが根本的だと私は考えています。
PN系とPDRN系、何が違うのか
PNとPDRNはどちらも同じアデノシンA2A受容体の経路を使いますが、分子量と鎖の長さに差があります。PNは分子量が比較的大きく、体内でゆっくり分解される性質があるため、この系統のスキンブースターは作用が比較的長く続くとされています。ただし痛みの感じ方は製剤の濃度や注入する深さ、施術者の手技によって変わるため、一概には言えません。私たちはカウンセリングの段階で皮膚の厚みや敏感さ、これまでの施術歴を確認したうえで、どの系統をどの濃度で使うかを設計しています。
目元のしわが気になる方が事前に確認しておきたいこと
- 皮膚が薄く、瞬きや表情の動きが多い部位であること
- 過去にヒアルロン酸やボトックスなど他の注入施術を受けた経験があるかどうか
- 乾燥や敏感肌の傾向があるか、直近で炎症や赤みが続いていないか
- 目元だけでなく顔全体のたるみやくすみも同時に気になっているか
- 施術後、大切な予定までにどれくらいの期間があるか
こんなサインがあれば、まず相談してほしいこと
- 施術部位の腫れや内出血が数週間経っても引かない
- しこりのような硬さが触れて、時間が経っても小さくならない
- 赤みや熱感、分泌物など炎症を思わせる症状が出ている
- 痛みが施術直後より強くなっている
- 左右差や凹凸が目立つように感じる
江南UH CELLでの施術設計
私たちのクリニックでは、目元のしわの相談を受けた際、まず診断を行います。カウンセリングで皮膚の状態としわの原因を確認したうえで麻酔クリームを約15分ほど塗布し、目元だけでなく顔全体にわたって手技で丁寧に注入していきます。目元だけを単独で扱うのではなく、顔全体の肌のトーンときめを一緒に整えていく方針を取っており、変化を実感していただくには3〜4週間の間隔で3回の施術を受けていただくことをお勧めしています。たるみも同時に気になる場合は、サーマクールFLXやオリジオXのような高周波リフティングを併用し、熱刺激によって生じる微細な変化の回復過程で線維芽細胞がより活発に反応するよう設計することもあります。
このように、目元のしわに対する私たちの考え方は、成分名を選ぶことではなく、線維芽細胞という同じ標的に向けて、診断から回復までの一連の流れをどう設計するかにあります。気になる症状がある方は、まず診察でご自身の皮膚の状態を確認していただくことをお勧めします。
FAQ
PN系スキンブースターは施術後すぐに効果を感じられますか
PNは即座にボリュームを与えるのではなく、線維芽細胞の活動を再開させる形で働くため、変化が見えてくるまでには数週間かかります。私たちがお勧めしている3〜4週間間隔で3回の施術を終えたあと、経過を見ていただくのが一般的です。
敏感肌や赤みが出やすい肌でも施術を受けられますか
PN系の成分は炎症に関わるサイトカインの働きを抑える方向で作用すると報告されていますが、肌の状態には個人差があるため、施術前の診断で適応を確認したうえで判断しています。
リフティング施術と同じ日に受けても大丈夫ですか
皮膚の厚みや回復の余力によって併用できるかどうかは変わるため、私たちのクリニックでは診断結果をもとに、その日にできる範囲と施術の順番を決めています。
目元だけでなく顔全体を一緒に施術する必要がありますか
必須ではありませんが、目元のしわは顔全体の肌のトーンや弾力と関連していることが多いため、私たちは目元単独よりも顔全体を診てから設計することをお勧めしています。

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