リフティングとピーリング、どちらを選ぶべきかは機器のスペック比較では決まりません。私たちが相談で最初にお伝えしているのは、この二つがそもそも作用する肌の層が違うという点です。当院では、どの機器を導入しているかより、その機器が今の肌状態に本当に必要かどうかを、診断の結果から判断しています。

リフティングとピーリングは同じ層に作用しない
皮膚科領域で使われるピーリングの分類では、表層ピーリングは表皮層(角質層を含む)までにとどまり、中層ピーリングはそれより深い真皮乳頭層まで届きます。一方、高強度収束超音波(HIFU)方式のリフティング機器は、SMAS層をねらう照射がおおむね皮膚表面から4mm台の深さに届くよう設計されており、これはピーリングが届く真皮乳頭層よりもさらに深い層です。
毛穴や色素沈着のような表面の悩みと、たるみや弾力低下のような構造的な悩みは、原因のある層そのものが異なります。私は、一つの機器で両方を同時に解決できるという説明を聞いたときは、診断が省略されている可能性を疑うべきだと考えています。
ピーリングも種類によって結果が変わる
ピーリングの効果は、浸透する深さと適応する肌状態によって変わります。Journal of Cosmetic and Aesthetic Surgeryに掲載された比較研究では、にきび瘢痕のある患者に20%のTCAピーリングを12週間で4回行った結果、瘢痕の評価スコアが平均で20.97%減少したと報告されています。この研究は、同じ20%という濃度でも、瘢痕の形や深さに合わせて回数や施術の間隔を変える必要があることも示しています。
即時的に局所を引き締める施術と、肌全体の弾力を段階的に高める施術は、そもそも目的が異なります。肌の悩みの種類を先に区別しなければ、機器の選択自体が意味を持たなくなってしまいます。
相談前に確認したい5つの基準
私たちがクリニックを選ぶ患者様にお伝えしている、確認しておきたい基準は次の5つです。
- 相談の中で、機器名より先に肌の診断結果が出てくるか
- リフティングを行う場合、ショット数(照射回数)を具体的に案内してもらえるか
- 正規品の機器・正規のチップを使用しているか確認できるか
- 診断した医師が、そのまま施術も担当するか
- 施術後の回復期間と経過観察の基準を、一緒に設計してもらえるか
この中でも、ショット数の案内は特に見落とされやすい点です。ショット数は照射される総エネルギー量と直結しており、相談の時点で具体的な数字が出てこない場合、施術の設計そのものがまだ行われていないサインだと私は考えています。
当院での考え方
江南院・瑞草院では、代表医師が肌の診断から施術まで一貫して担当しています。相談の段階で、リフティング機器の照射条件やピーリング薬剤の濃度・回数を具体的にお伝えするのは、その場で決めた施術ではなく、診断結果に基づいて設計した施術をご提案したいためです。以前お伝えした「リフティングとピーリング、どちらを選ぶべきか」というテーマでも触れましたが、この考え方は肌質や既往歴が異なる短期滞在の患者様にも変わらず当てはまります。
FAQ
リフティングとピーリングを同じ日に受けても大丈夫ですか?
肌の状態によって異なります。診断の結果、表面の悩みと構造的なたるみが両方確認できた場合は併用を検討できますが、回復期間や刺激の積み重ねを考えて、順番と間隔を先に設計する必要があります。
リフティング機器のショット数はなぜ確認すべきですか?
ショット数は照射される総エネルギー量に直結する情報です。相談の時点でこの数字が具体的に案内されない場合、施術の設計がまだ固まっていない可能性があります。
ピーリングだけでリフティングのような効果は期待できますか?
ピーリングは真皮の浅い層までに作用する施術で、SMAS層に働くリフティングとは目的が異なります。たるみが主な悩みであれば、ピーリングだけでは期待した変化が出にくいことがあります。

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