施術後、いつ飛行機に乗れるか
結論から申し上げると、「施術の何日後なら飛行機に乗ってよい」という一律の答えはありません。表皮を傷つけずに深部にエネルギーを届ける施術と、表皮そのものに微細な傷をつくる施術とでは、回復に必要な時間がまったく異なるからです。私たちは、渡航前にこの違いを踏まえて帰国便の日程を組むよう、短期滞在の患者さまにお伝えしています。

施術の種類によって回復時間は同じではない
サーマクール・ウルセラ系のように高周波や超音波のエネルギーを皮膚の深い層に届けながら、表皮の表面はそのまま残す施術は、多少の腫れや赤みはあっても開放創がないため、当日の搭乗自体に大きな支障は出にくいと考えています。
一方で、フラクショナルレーザーやピーリングのように表皮そのものを削ったり、微細な傷をつくったりする施術は事情が異なります。新しい皮膚が表面を覆う再上皮化が終わるまでは、滲出液や落屑が残ることがあり、私たちはこのタイプの施術については最低でも4日から1週間程度の間隔を空けてから帰国便を組むことをお勧めしています。
リジュランやスキンブースターのように微細な針で注入するタイプの施術は、この中間に位置づけられます。多くの場合、1日から2日で見た目の状態は落ち着いてきます。
いずれの場合も、腫れ・赤み・内出血の出方には個人差があるため、私たちは施術直後に「この方の回復ペースなら何日後の搭乗が現実的か」を診断した医師自身が判断するようにしています。
機内の乾燥と気圧が回復中の皮膚に与える負担
施術の種類とは別に、機内環境そのものが回復中の皮膚には負担になります。長距離フライト中の皮膚水分量の変化を調べた研究では、機内の湿度は離陸から2時間以内に10%を下回り、その後も飛行中ずっとその水準が続いたと報告されています。同じ研究では、頬の皮膚水分量が最大37%まで低下したことも示されています。
通常の状態の皮膚でも、これだけ乾燥した環境では突っ張りや乾燥を感じます。施術直後でまだバリア機能が十分に戻っていない皮膚は、水分が失われるスピードがさらに速くなり、赤みや敏感な状態が長引きやすくなります。加えて気圧の変化は、腫れが残っている部位の不快感を強める要因にもなります。そのため私たちは、滲出液やかさぶたが残っている状態であれば、搭乗そのものを数日後ろに倒すよう案内しています。
出国前に、施術を受けた病院で経過を確認する意味
短期滞在の患者さまにとって最大のリスクは、施術そのものよりも「出国後に経過を診てくれる人がいなくなること」だと私たちは考えています。診断し施術も担当した医師が出国前に直接状態を確認できれば、その場で「これは正常な回復範囲内か」「帰国先で医療機関に相談すべき変化か」を判断できます。
反対に、施術だけを受けてすぐに出国してしまうと、機内で赤みや腫れが強くなった場合でも、帰国先では初めて会う医療者にゼロから経緯を説明しなければなりません。
私たちは江南院・瑞草院それぞれで、診断から施術までを担当した代表院長が出国前の最終経過確認まで続けて診られるよう予約を設計しています。診療スペースが回復ケアの設備と同じ建物内にあるため、状態確認と回復ケアを同じ来院の中で終えられるようにしています。渡航前の経過確認について詳しく知りたい方は、診断医と施術医は同じか、短期滞在の皮膚科選びで見るべき点でも解説していますので、あわせてご確認ください。
FAQ
リフティング施術の当日に飛行機に乗っても大丈夫ですか?
サーマクール・ウルセラのように表皮に傷を残さないリフティング施術であれば、当日の搭乗が可能なケースは多いと考えています。ただし腫れが強く出ている場合は、1〜2日ずらしたほうが機内で楽に過ごせます。
機内で肌が乾燥してきたら、どうすればよいですか?
保湿クリームをいつもより多めの頻度で塗り直し、水分補給を増やすことが助けになります。ただし滲出液やかさぶたが残っている部位には、化粧品よりも病院で処方された再生用の軟膏を優先してください。
出国前の経過確認は、必ず施術を受けた病院で受けるべきですか?
同じ医療者が施術前の状態と施術直後の状態の両方を把握しているため、正常な回復かどうかをより正確に判断できると私たちは考えています。滞在期間が短い日程であるほど、この確認を省かないことをお勧めしています。

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